糖尿病は“治る”時代…いまこそ患者への偏見を是正すべきだ

糖尿病は予備軍を含めると2000万人が罹患している国民病

「医療技術が進み、糖尿病患者さんはきちんと治療して血糖コントロールができていれば健康な人とほとんど変わらない健康寿命になっています。そもそも糖尿病の人は短命というのは未治療だったり、治療時期が遅すぎて血糖コントロールができていない人の場合を指すケースが多かったのですが、いまは企業の定期健診などにより重度の患者さんは少なくなりつつあります」

 実際、40歳時点の平均余命を見てみると、2000年度の簡易生命表(厚労省「日本人の平均余命」)では、男性39年、女性45.5年。1995~2001年に調べた6140人の糖尿病患者の調査結果は男性39.2年、女性は43.3年。両者はほとんど差がなく、しかも、これらは20年以上前のデータだから、いまはその差がさらに改善している可能性がある。

「糖尿病は一度かかったら治らない」というのも間違いだ。世界中で「糖尿病は治る」論文は続々出ていて、今春には新潟大学大学院の研究チームが2型糖尿病患者の100人に1人は寛解(薬なしで診断基準未満を3カ月以上キープ)しているとの研究結果を発表している。

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