12月5日付号の本欄で、「若年性はいわば“ピュアなアルツハイマー病”」と述べました。老年性は脳の老化が基盤にあり、そこにアミロイドβの蓄積がもとになって起こる脳の神経細胞の変性・死滅で発症する。一方で、若年性アルツハイマー病は老化がない状況で発症する。なぜそのようなことが起こるのか? 糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病、アルコールの過剰摂取、運動不足、不規則な生活など要因はさまざま考えられ、ひとつに絞ることはできません。ただ言えるのは、若年性アルツハイマー病の数は少ないとはいえ、老年性と同様に、「私は絶対にならない」とは言い切れない病気だということです。
【注】日本医療研究開発機構認知症研究開発事業による「若年性認知症の有病率・生活実態把握と多元的データ共有システムの開発」(2020年)から
第一人者が教える 認知症のすべて