若年性アルツハイマー病の平均年齢は51歳。ほとんどが50代で発症し、40代での発症例は多くありません。20~30代というかなり若い年齢で発症するケースもありますが、遺伝を原因とする家族性アルツハイマー病で、全患者さんの1%以下と、ごくまれです。
認知症の症状は、脳の神経細胞の変性が原因で起こる「中核症状」と、中核症状によって状況に適応できなくなり、行動面や心理面で症状が出る「行動心理症状(BPSD)」に大別できます。
中核症状は、物忘れ、場所や時間などが認識できない見当識障害、失語、失行、失認など。認知機能が低下すれば誰にでも現れる症状です。
それに対し行動心理症状は、不安、抑うつ、興奮、妄想、幻覚、徘徊、暴言・暴力など。
若年性アルツハイマー病も、老年性も、中核症状や行動心理症状があるのは共通していますが、若年性は症状の進行スピードが速い(とはいっても、認知機能低下は年単位で進むので、急激に悪くなるということではありません)。
第一人者が教える 認知症のすべて