手の「こわばり」は年のせい? 使いすぎ? それは違います! 更年期症状の可能性

手指の痛みや「こわばり」を放置すると日常生活に支障をきたす恐れも

 エストロゲンは、生涯で分泌量が変化する。初潮以降急激に分泌量が増え、20代半ばから30歳くらいでピークに。その後徐々に減り始め、40代に入った頃から急激に減少。閉経を迎え、65歳過ぎくらいで分泌量がピーク時の8~10分の1になり、絶対的低値が続く。

 このエストロゲン、体のあらゆる機能に関係している。よってエストロゲンの急激な減少や低値で、さまざまな症状(更年期症状)が出てくる。

「更年期症状というと、真っ先に思い浮かべるのが、ほてりやホットフラッシュではないでしょうか。しかし更年期症状は150種類以上あり、人それぞれ。20年以上更年期の女性の電話相談を受けている『公益社団法人女性の健康とメノポーズ協会』の2018年の調査で、最も多い訴えは肩こり、腰痛、次いで手のこわばり、関節痛となっています」

 エストロゲンの働きのひとつが、腫れや炎症の抑制だ。私たちの手には多数の骨があり、「腱」が筋肉と骨を結びつけている。腱は骨から離れないよう「腱鞘」で押さえられ、腱が往復するように移動して手指を動かしている。その摩擦で腫れや炎症が生じるのを、エストロゲンが抑制していると考えられる。

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