手の「こわばり」は年のせい? 使いすぎ? それは違います! 更年期症状の可能性

手指の痛みや「こわばり」を放置すると日常生活に支障をきたす恐れも

■安全で効果の高い対策あり

「ところが更年期以降のエストロゲン減少で炎症が抑制されないようになると、腱と腱鞘の摩擦が大きくなり、強い負担がかかる。それが継続すると手指の腫れ、痛み、しびれが現れ、長期に及ぶと関節の軟骨が痛み変形してしまうのです」

「更年期症状で手指の不調がよく起こる」ということは近年、手指の治療の専門家の間ではホットなテーマになっているが、すべての診療科の医師にまで浸透しているとは言えない。患者自身も更年期と関係しているとは思わない。それらが、適切な診断の困難さを招いている。

 エストロゲン減少による手指の不調であれば、エストロゲンを補うことが治療になる。ほかの更年期症状にも有効だ。

 効果が高いのがホルモン補充療法だが、乳がん、卵巣がんのリスクを上げるという可能性も。そこで安全で効果が高いとして、更年期を診る婦人科医でも勧める人が多いのが、「エクオール」という成分。大豆イソフラボンの一種で、エストロゲンと似た働きをする。複数のメーカーからサプリメントが販売されているが、医療機関で販売されているものなど、信頼できるものを選びたい。

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