冬の「脳梗塞」の前兆と予防法 気が付かないと命取り…TIA発症が前触れに

自分の体調の変化を正確に知る感覚を養いたい(C)iStock

 視野は半分欠けてしまい、右半分または左半分の視野にあるものが見えなくなる。ほかにも、服が正しく着られない、言葉で指示された行動がとれない(じゃんけんのグー・チョキ・パーや別れの時のバイバイの動作)などがある。こうしたTIAの病態は本格的な脳梗塞の前兆とされるが、できればそうなる前に対策を練りたい。どうしたらいいのか?

 冬に多い心原性脳塞栓症は心房細動(脈が速いタイプの不整脈)が原因で起きる。そのリスクを知るには自分で脈を測り、不規則なリズムを打っていないかを調べ、心房細動の疑いがあれば、医療機関を受診して心電図検査や超音波検査を受けることだ。むろん、動悸、息切れ、胸痛といった自覚症状がある人は早めに医師に相談する。

「脳梗塞は、高齢に加えて、高血圧や糖尿病といった生活習慣病のある人、喫煙する人に多い。その治療や禁煙などに専念することが大切です。またそれ以上に重要なのは、日々自分の体調に問いかけることです。人は働くために若い頃から無理を続け、眠い、つらい、痛いといった感覚を抑えて生きています。しかし、それを長年続けていくと“あるべき健康体”がわかりづらくなります。年を重ねれば誰しも身体的な不安要素を抱えます。その中で、安全に体を動かすにはどうするかを考えるべきです。それには自分の体調の変化を正確に知る感覚を養わなければなりません。たとえば、ヨガや太極拳といった体を鍛えるというよりも、自身の体調を知るための運動を日々行い、不調をいち早く知る努力をすることが大切だと考えます」

 あなたは、自分の体調の変化を正確に把握できていますか?

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