冬の「脳梗塞」の前兆と予防法 気が付かないと命取り…TIA発症が前触れに

自分の体調の変化を正確に知る感覚を養いたい(C)iStock

 脳梗塞は恐ろしい病気だ。突然発症して、命を奪うか、運よく生き延びても体の自由を奪う。リハビリに励んでも後遺症に苦しむ人は多い。脱水から血液が固まりやすい夏場に多いといわれるが、国立循環器病研究センターの調査によると、75歳超、中等症~重症者、心原性脳塞栓症の患者に限ると冬の割合が多くなる。

 ◇  ◇  ◇

 冬は心房細動(不整脈)が起きやすく、心臓でできた血栓は大きく高齢者には重大な結果を招くからだ。しかし、脳梗塞は注意していればその前兆を知ることができる。相武台脳神経外科(神奈川県相模原市)の加藤貴弘院長に話を聞いた。

「一般的に脳梗塞の前兆とされるのは『一過性脳虚血発作(TIA)』です。一時的に脳が虚血状態になり、通常は24時間以内に症状が消える病態をいいます。体の片側の脱力や麻痺といった『体の片側がうまく動かせない』という状況、あるいはろれつが回らない、言葉が出てこない・理解できないといった『思うように話せない』という状況、視野が欠ける、一過性に片側の目が見えなくなるといった『見え方がおかしい』状況などの症状が現れます」

1 / 4 ページ

関連記事