第一人者が教える 認知症のすべて

レビー小体型認知症は最初に幻視・妄想やパーキンソン症状が現れる

物忘れ症状は少ない

 ちなみに、この認知症を世界で初めて発見したのは日本人で、昨年お亡くなりになられた横浜市立大名誉教授の小阪憲司先生です。筆者にとって学位論文のご指導を受けた恩師でもあります。1976年のこと。その後、「レビー小体型認知症」と名付けられ、それまで知られていたアルツハイマー型認知症と異なる症状を持つ認知症として、国際的に注目されるようになりました。

 レビー小体型認知症は最初に幻視・妄想や、パーキンソン症状が見られることが多い。アルツハイマー型認知症では早くから見られる物忘れは、レビー小体型ではなかなか出てきません。

2 / 4 ページ

新井平伊

新井平伊

1984年、順天堂大学大学院医学研究科修了。東京都精神医学総合研究所精神薬理部門主任研究員、順天堂大学医学部講師、順天堂大学大学院医学研究科精神・行動科学教授を経て、2019年からアルツクリニック東京院長。順天堂大学医学部名誉教授。アルツハイマー病の基礎と研究を中心とした老年精神医学が専門。日本老年精神医学会前理事長。1999年、当時日本で唯一の「若年性アルツハイマー病専門外来」を開設。2019年、世界に先駆けてアミロイドPET検査を含む「健脳ドック」を導入した。著書に「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法」(文春新書)など。

関連記事