幻視・妄想は、ご本人もつらいですが、周囲の人もどう対応していいかわからず、戸惑ってしまいがちです。
夫がレビー小体型認知症と診断された女性も、夫から「玄関に知らない人が立っている」「2階にだれかがいる」「壁をヘビが這っている」などと幾度となく言われました。
最初のうちは「だれもいない」「ヘビのように見えるのは壁のシミだ」と返していたそうですが、そうすると相手は「そこにいるんだっ! 嘘をつくなっ!」と激しく怒る。
「正論で返してもダメなんですね。夫が求めているのは、いるかいないかのジャッジではない。知らない人がいて不安に思っている気持ちをわかってほしいんだと、本を読んでいるうちに理解できました」
女性がとにかく心掛けているのは、頭ごなしに否定しない。夫の言葉に耳を傾け、不安に思っていそうであれば一緒に玄関や2階を見に行き、だれかが隠れていそうなカーテンは開け、部屋を明るくする。特に困っている様子がなければ、話を聞くだけで様子を見る。
第一人者が教える 認知症のすべて
レビー小体型認知症は最初に幻視・妄想やパーキンソン症状が現れる
「玄関に知らない人が立っている」と言われたら、どうしたらいい?