60歳以上が対象の「RSウイルスワクチン」承認…接種を考えたほうがいい人は?

基礎疾患がある人は検討を

 また、代表的な呼吸器疾患の一つ、COPD国際ガイドラインの最新版「GOLD report2024」では、COPD患者に対してRSワクチン接種を「エビデンスA」として強く推奨している。2年前の「GOLD report2022」では、インフルエンザ・肺炎球菌・帯状疱疹の各ワクチン接種には言及していたが、RSワクチンは記載がなかった。

■寝たきりや介護の引き金になることも

 なぜ高齢者にRSワクチンが必要なのか?

「免疫力が落ちている高齢者はRSウイルスに感染しやすく、RSウイルス感染症が重篤化しやすい。さらに高齢者は基礎疾患を多数持っており、それによってRSウイルス感染症がより重篤化。そして基礎疾患も重篤化するリスクがあります」(舘田医師=以下同)

 基礎疾患とRSウイルス感染症入院比率を示したデータがある。それによると、RSウイルス感染症で入院する確率が、喘息がある人は2~3.6倍、COPDがある人は3.2~13.4倍、糖尿病がある人は2.4~11.4倍、冠動脈疾患は3.7~7倍、うっ血性心不全がある人は4~33.2倍高い。

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