老親・家族 在宅での看取り方

脳腫瘍で余命1~2カ月の30代女性「最期の時を家族と過ごしたい」

ご家族の待つ自宅で過ごしたい…(C)iStock

「頭痛はなくて、お薬は飲まずに経過しています。スッキリする日もあるみたいです。昨日は薬が効いてよく眠れたみたいです」(同席した訪問看護師)

「やっぱり寝ないとダメなんですね」(本人)

「そうですね、眠れてよかったですね」(私)

 頭が重くなりもやもやしている時もあるとのことですが、容体は安定しているご様子です。

 このPICCの造設は、患者さんの身体的、精神的負担を軽減することができると共に、「病院に行くことができない」という理由で治療を諦めることなく、自分らしい生活を続けていくことが可能です。

 いつでもどこでも高度な医療を自宅で受けることができる。そんな医療を持ち運ぶことが当たり前な未来を目指し、当院ではこれからも患者さんやご家族の側に立った、さまざまな治療や処置を試行錯誤しながら対応していきたいと思っています。

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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