老親・家族 在宅での看取り方

慢性腎臓病の50歳男性「墓参りで死んだ両親に会ってきた。早くそっちに行きたい」

ギリギリまで食べたいものを食べ、喫煙も…(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ

「ばい菌が入ったら最悪足を切らなきゃいけないって言われたんだよね」

 形成外科病院に通院しながら、私たちのところで在宅医療を開始された50歳になる1人暮らしの患者さんがいました。

 その方は糖尿病、壊死性腸炎、慢性腎臓病を患っていました。慢性腎臓病は、6段階あるステージのうち、最も病状の重いG5D。

 もともと実家が地方の旧家で地主という裕福な生まれの方で、後に料理人になってからも飲食店を3軒も経営されていましたが、すでに居抜きで人に譲り渡し、病気療養をされていたのでした。

「ご実家はどうでしたか?」(私)

「楽しかった。帰った時に血糖値がめっちゃよかったよ」(患者)

「今日疲れてます?」(私)

「700キロの移動は疲れるね」(患者)

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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