働き世代 がんになったらお金はどうする~会社員編~(1)治療と並行して仕事を続けられるのか

病院にある「がん相談支援センター」の協力を仰ぐのもひとつの手

 傷病手当金を受けるには、「業務外の病気やけがで療養中」「療養のために、今までの業務ができない」「4日以上仕事を休んでいる」「給与の支払いがない。給与が一部だけ支給されている場合は、傷病手当金から給与支給分を減額して支給」の条件を満たすことが必須となります。

 基本的には、ご自身で申請する必要があります(加入している健康保険によって異なる)。受給開始は即日ではなく、時間がかかることもあります。私が相談に乗ったケースでは、3カ月かかった方もいました。休職を考える場合、傷病手当金が支給されるまでのお金のやりくりも考えておく必要があります。

 さて、冒頭のAさんはどうなったか──。次回紹介します。(つづく)

▽黒田ちはる 看護師としての経験を生かし、看護師FP(R)としてがん患者の家計相談に乗る。黒田ちはるFP事務所代表、一般社団法人患者家計サポート協会代表理事。著書に「がんになったら知っておきたいお金の話」。

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