両足がむくんで歩きにくい──。新型コロナウイルスが感染拡大した2020年以降、圧倒的に患者数が増えたのが「廃用性浮腫」です。
ふくらはぎにつながるアキレス腱には、腓腹筋とヒラメ筋といった下腿三頭筋と呼ばれる硬い筋肉が付いていて、歩行する際の踏み返し動作をスムーズにする役割を担っています。コロナ禍のステイホームなどで極端に一日の歩数が減ると、ふくらはぎの筋肉をあまり使わないためポンプの役割を果たせなくなり、心臓から足へ届いた血液が再び心臓へ巡れずに足の静脈の中にたまって足がむくんでいきます。
とりわけ高齢になると足の筋力が低下し足のアーチ崩れ、扁平足になりやすい。すると、踏み返し動作をしないべた足歩きになって下腿三頭筋が使われなくなり、むくみやすくなるのです。足のむくみといえば心不全や腎不全、深部静脈血栓症などが原因と考えられがちですが高齢者の場合、明らかな原因がなくても症状が現れやすいのです。
日本版「足病医」が足のトラブル解決