働き世代 がんになったらお金はどうする~会社員編~(4)住宅ローンの支払いが苦しい…

支出を減らすなら変動費ではなく固定費で(C)日刊ゲンダイ

 Aさんは、肺がんの通院での抗がん剤治療が6カ月を予定。体力低下で復職が困難な期間は4~5カ月ほど。抗がん剤治療終了後は経過観察で、主治医との話し合いで「長く見ても半年ほどで職場復帰ができそう」という見通しが立っていました。

 そこで選んだのが、住宅ローンを組んでいる金融機関へ赴き、返済条件の変更を相談する方法です。金融機関からの聞き取りの後、審査期間がありましたが、半年間だけ、住宅ローンの返済額を少なくしてもらえることになりました。

 ただこの方法は、治療が長期化しそうな方には向いていません。一時的に住宅ローンの額を減らせても、それによって返済総額が増えるので、後々の負担となってくるからです。

 家にかかるお金は住宅ローン以外にも、固定資産税や(マンションの場合)管理費・修繕積立金もあります。また、家以外にも医療費や教育費、日々の生活のために必要なお金もありますので、今後の生活の希望についてまずは家族で一度話し合い、お金に関しての方向性を考えていくことが大事です。

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