大阪「南港病院」の総院長「私がハイパーサーミア導入を決めたワケ」

がん温熱療法「ハイパーサーミア」には5つのメリットがある(提供写真)

 地域に根ざした医療を展開する傍ら、閉鎖した銭湯の運営を引き継ぐなど地域活性化にも積極的な南港病院(大阪市住之江区北加賀屋)は、「患者の笑顔をつくる」を理念に掲げ、患者とその家族に寄り添う医療を心がけている。それは、2次救急医療機関として地域ナンバーワンの救急患者受け入れ数、全国的に減少し社会問題化した小児科、婦人科の新設などに表れている。

■公立ができないことは民間がやる

 その南港病院が、今年1月から導入したのが、がん温熱療法「ハイパーサーミア」治療器。三木康彰総院長に話を聞いた。

「産業構造の変化で造船業が町の外に移転したため、北加賀屋の住民は高齢となったかつての造船関連労働者と、新たに移り住んできた若者や若い家族が中心です。医療ニーズも変化し、整形外科だけではなく婦人科や小児科も必要になりました。また、地域の高齢化や女性の増加により、乳がんなどの婦人科がんを含めがんが増えています。それに応えるべく、3年後に新病院建設を予定しています。その準備にと導入したのがハイパーサーミアによるがん温熱治療です」

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