第一人者が教える 認知症のすべて

100歳で1人暮らし!娘のために楽しみながら料理を作るスーパー母さん

料理は活動量を高める上でも非常にいい(C)iStock

「もう100歳だよ! 今も1週間に1回、料理作って送ってくれてるの。元気だよー。私より記憶力がしっかりしているくらいだよ」

「100歳で1人暮らし?」

「そう。突き出し作って送るの、お母ちゃんも楽しんでるみたい」

 ママのお母さんはすでに自動車の免許証は返納しているそうですが、91歳までは自分で車を運転して山へ行き、山菜採りをしていたとか。免許証返納後は、歩けるところへは自分で歩いて、必要に応じてバスを乗り継ぎ、買い物をしたり、食事に出かけたり。

 そんなお母さんの好きな食べ物は、とんかつとカツカレーで、食欲の旺盛さはまったく衰えないとのこと。ただ、普段の食事は野菜中心で、肉も魚もバランスよく食べている。

「しょっぱい料理で知られる地方の人とは思えないほど、突き出しはちょうど良い味付け。塩分量もそれほど取っていないのかな」とは、担当者。

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新井平伊

新井平伊

1984年、順天堂大学大学院医学研究科修了。東京都精神医学総合研究所精神薬理部門主任研究員、順天堂大学医学部講師、順天堂大学大学院医学研究科精神・行動科学教授を経て、2019年からアルツクリニック東京院長。順天堂大学医学部名誉教授。アルツハイマー病の基礎と研究を中心とした老年精神医学が専門。日本老年精神医学会前理事長。1999年、当時日本で唯一の「若年性アルツハイマー病専門外来」を開設。2019年、世界に先駆けてアミロイドPET検査を含む「健脳ドック」を導入した。著書に「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法」(文春新書)など。

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