第一人者が教える 認知症のすべて

100歳で1人暮らし!娘のために楽しみながら料理を作るスーパー母さん

料理は活動量を高める上でも非常にいい(C)iStock

 この連載の担当者が、二十数年通っている飲み屋さんへ行った時のこと。コロナ期間中にすっかり早寝になり、夜飲み歩くことが激減したため、その店へ行ったのは本当に久しぶりだったそうです。

 突き出しの煮物を食べながら、ふと「(飲み屋店主の)ママのお母さん、どうしているのかなぁ」と思ったという担当者。その飲み屋さんは突き出しのファンも多く、そして突き出しは、ママのお母さんの手製。東北地方で1人暮らしをしているお母さんは、娘(ママ)のためにせっせと料理を作り、クール宅配便で送っているのです。

 ここからは担当者とママさんの会話の再現です。

「突き出しの味、全然変わらないね。今はママが作っているの?」

「違うよ。ウチのお母ちゃんが作って送ってくれてるんだよ」

「えっ、ママのお母さんっていくつ?」

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新井平伊

新井平伊

1984年、順天堂大学大学院医学研究科修了。東京都精神医学総合研究所精神薬理部門主任研究員、順天堂大学医学部講師、順天堂大学大学院医学研究科精神・行動科学教授を経て、2019年からアルツクリニック東京院長。順天堂大学医学部名誉教授。アルツハイマー病の基礎と研究を中心とした老年精神医学が専門。日本老年精神医学会前理事長。1999年、当時日本で唯一の「若年性アルツハイマー病専門外来」を開設。2019年、世界に先駆けてアミロイドPET検査を含む「健脳ドック」を導入した。著書に「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法」(文春新書)など。

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