第一人者が教える 認知症のすべて

100歳で1人暮らし!娘のために楽しみながら料理を作るスーパー母さん

料理は活動量を高める上でも非常にいい(C)iStock

 以前、料理は同時進行でいろんなことを行うので、脳を活性化させるのにいいとこの欄で紹介しましたが、活動量を高める上でも非常にいい。

 それに加えて、「お母さん」の場合は、東京へ作った料理を送る、というミッションもある。

 飲み屋さんでのママとのやりとりから、担当者がもう一つ思い出したエピソード。

 それは、90代半ばにして現役カメラマンとして活躍していたある男性のことでした。某観光地の取材で知り合い、一緒にお酒を酌み交わしたこともあるとのこと。

 そのカメラマン、現役というだけあって、頭脳明晰。昔のことも最近のことも、聞けば、投げたボールをパーンと打ち返すかのように、詳しく話してくれる。旅行好きで、「同年代の友達はみんな死んじゃった。一緒に旅行する相手は20歳以上、下のヤツらがほとんど」と、そのカメラマンが気に入ってリピートしているという熱海の宿を教えてくれたそうです。

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新井平伊

新井平伊

1984年、順天堂大学大学院医学研究科修了。東京都精神医学総合研究所精神薬理部門主任研究員、順天堂大学医学部講師、順天堂大学大学院医学研究科精神・行動科学教授を経て、2019年からアルツクリニック東京院長。順天堂大学医学部名誉教授。アルツハイマー病の基礎と研究を中心とした老年精神医学が専門。日本老年精神医学会前理事長。1999年、当時日本で唯一の「若年性アルツハイマー病専門外来」を開設。2019年、世界に先駆けてアミロイドPET検査を含む「健脳ドック」を導入した。著書に「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法」(文春新書)など。

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