誰でもできる力いらずの介助術

ベッド編(3)捻転の動きを利用すれば簡単に寝返りさせられる

(写真1)「写真と動画でわかる!埼玉医大式力がいらない介助技術大全」(講談社)

 長期間、ベッド上での安静が必要な人で気を付けたいのが「褥瘡=床ずれ」だ。

 寝たきりなど長時間同じ姿勢で横になっていると体の一部に圧力がかかり続け、その部分の皮膚に十分な血液が行き渡らず傷になりやすい。

 とりわけ骨が出っ張っているお尻の仙骨部や太ももの付け根にある大転子部、かかとは圧迫を受けやすいため、定期的に体位を変える必要がある。

 力がいらない根津式介護技術を開発した根津良幸氏が言う。

「人間の筋肉は、『屈』『伸』『捻転』という3つの動きしか行えません。体に不自由があり介助を必要とする人の中には、屈伸の動作ができない人も少なくない。ですが、筋力が低下して筋肉が痩せ細ったとしても弾力性は残っているので、捻転の動作は維持されます。その動きを利用すれば、力いらずの寝返り介助が行えるのです」

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根津良幸

根津良幸

株式会社One tо One福祉教育学院代表取締役、埼玉医科大学客員教授。近著に「写真と動画でわかる!埼玉医大式力がいらない介助技術大全」(講談社)。YouTubeチャンネル「根津式介護技術」

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