しかし、治療法が先進医療に当てはまるかどうかは、あくまでも医学的見地から判断すべき。経済的な観点から判断するものでもあるまい。
iROCK側は当面、患者に対して「重粒子線は、(1)からだの深部にある“がん”を集中的にたたいて、その周辺の正常な細胞を傷つけにくく、副作用が少ない(2)X線などと比べ、がんを殺傷する能力が強いため、今までの放射線治療が効きにくかった肉腫など難治性のがんにも効く」ことなどを説明していくという。
前立腺がんでは、強度変調放射線治療(IMRT)で40回前後の照射が必要だが、重粒子線治療では12回で済む。Ⅰ期肺がんでは、定位放射線治療(SRT)は4~6回の照射が必要だが、重粒子線治療は1回の照射で終わる治療法があるなど、従来の放射線治療より短期間で治療を行えるメリットも強調するという。
従来通り、重粒子線のがん治療が先進医療Aにとどまるか、否か。ある意味、日本の医療の分岐点になりそうだ。
どうなる! 日本の医療