老いた親がよく転ぶ…それなら「治る痴呆症」の可能性あり

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 老親がよく転ぶと思っていたら、認知症だった──。最近、分かってきたことだ。しかし、この“よく転ぶ認知症”の場合、「治らない」と落ち込む必要はない。手術で治るのだ。

 Aさんは、愛知県に住む60代の母親から「お父さんが転んで脚にヒビが入った」との電話を受け、週末に帰省した。

「最近、お父さんよく転ぶのよ。足腰が弱くなっているのかしら」

 文句を言う母親の横で、70歳を越えた父親は黙り込んでいる。健康に自信を持ち、積極的な性格で口達者な父親だっただけに、Aさんは違和感を覚えた。

 テレビのニュースを見て、「この政治家はなっとらん」と批判することが常だった父親。ところが、今は批判どころか、テレビを見ているうちに早い時刻から寝てしまう。これにも、Aさんは引っかかった。

 ただ、「年を取ったから仕方がない」という気持ちもあった。妻や会社の同僚からも、「ウチの親も急に老いが来た」「若い頃の勢いはなくなって当然」などと言われ、納得してしまった。

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