どうなる! 日本の医療

行政批判した医師が懲戒解雇 厚労省は病院に圧力をかけ言論封殺したのか

厚生労働省(C)日刊ゲンダイ

 ところが、なぜかこの原案が千葉県経由で、9月2日に亀田理事長に送付され、それが小松氏にまた転送されてきたという。

「この日、複数の人から、理事長が私を9月中に懲戒解雇すると話していると聞きました」

 結局、亀田総合病院は①医療法人の名誉を損なう行為に及んだ、②千葉県非難をやめるよう求めたが指示に従わなかった、③職務・管理上の指示命令に違反して厚労大臣宛ての書面を提出し、同省職員の実名を挙げて対処を求めた――などを理由に、小松副院長の懲戒解雇を決めたという。9月25日のことだった。

「補助金の裁量権をちらつかせることで医療機関を締め付け、役所に批判的な医師を解雇させ、自分たちに不都合な言論を封殺したということです。許されません」

 ちなみに亀田総合病院に取材を申し込んだところ、「個別の取材には応じない」(広報部)との回答だった。

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村吉健

村吉健

地方紙新聞社記者を経てフリーに転身。取材を通じて永田町・霞が関に厚い人脈を築く。当初は主に政治分野の取材が多かったが歴代厚労相取材などを経て、医療分野にも造詣を深める。医療では個々の病気治療法や病院取材も数多く執筆しているが、それ以上に今の現代日本の医療制度問題や医療システム内の問題点などにも鋭く切り込む。現在、夕刊紙、週刊誌、月刊誌などで活躍中。