独白 愉快な“病人”たち

落語家 林家こん平さん (71) 多発性硬化症 ㊦

(C)日刊ゲンダイ

 私の病気をきっかけに、次女はマネジャーから始まり、イベント企画会社を起業して生活が一転しました。人生を変えてまでサポートしてもらえる家族がいるから、芸人を続けられているんですがね。でも、“ありがたい”なんて言うと、ご隠居さんみたいに年とっちゃいそうで。人前では、「自分のおかげです!」なんて強がってますよ。

 最近、私もお世話になっている国立精神・神経医療研究センターの山村隆先生が、多発性硬化症の新薬を発表したんです。今まで治療薬がないといわれてましたから、これはとても画期的なこと。山村先生には「実験台でもいいので、私にもぜひ試させてください」と真っ先に手を挙げています。多発性硬化症が治る日が来るかと思うと、ワクワクしますね。

▽はやしや・こんぺい 1943年新潟県生まれ。中学卒業と同時に初代林家三平に師事、20歳の若さで二つ目、29歳で真打ちに昇進。66年から「笑点」に出演。2010年に多発性硬化症の闘病をつづった「チャランポラン闘病記」(講談社)を上梓。現在は高座復帰に向けてリハビリに努める傍ら、次女と共にイベント出演などを行っている。

4 / 4 ページ