独白 愉快な“病人”たち

倉本昌弘さん(60) 心臓弁膜症

倉本昌弘さん (C)日刊ゲンダイ

 手術は9時間かかりました。ツラかったのは、その夜です。胸ではなく、背中とお尻がとにかく痛い。胸骨を切って7~8時間ほど胸を開いたせいで、背中にシワ寄せがあったんでしょうね。全然、眠れなくて、寝たなと思っても1時間しかたっていないんです。人工呼吸器がついていたので訴えることもできず、口がカラカラでも一滴の水も飲めず、後にも先にもあんなに長い夜はなかったです。

 でも、翌朝には自己呼吸になって一般病棟に戻り、その翌日には「もう歩いていいですよ」と言われ、点滴や尿管をつけながらガラガラと院内を散歩しました。

 3週間ほどで退院。ゴルフは「半年ダメ」と言われましたが、退院後1カ月目からパッティングやアプローチなどの軽いスイング練習を始めました。左右均等に力がかかるぶんにはまったく痛くないんです。ただ、片手でミカンをキャッチしたときは「イタタタッ」ってなりましたけど。

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