早期がん発見容易 最新機器「NBI内視鏡システム」の実力

元気でも安心できない(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ

 さらに、2つの短い波長の光に加え、緻密な観察を可能にする拡大内視鏡も搭載している。これによって、病変を70~80倍に拡大し、観察することができる。

「咽頭・喉頭がん、食道がん、胃がん、大腸がんのうち、胃がんと大腸がんは、拡大内視鏡を備えたNBI内視鏡システムで調べることで、良性か悪性か、さらに粘膜内のどこまでがんが浸潤しているかが分かります」

 リンパ節転移のない早期胃がんは、胃の表層を切除するだけの内視鏡手術で根治効果が得られる。大腸がんも、リンパ節転移がなく、粘膜下層の浅層までにとどまっていれば、内視鏡手術が可能だ。言い換えれば、これらの条件に該当しない場合は内視鏡手術では不十分で、外科手術が必要になる。

「拡大内視鏡搭載のNBI内視鏡システムであれば、この判断をより正確に行えます。従来の内視鏡では、そこまで正確には判断できませんでした。『良性腫瘍だと判断し、放っておいたが、実は悪性のがんだった』『取りきったつもりが、がんが見落とされていて取り残しがあった』あるいは『必要以上の切除だった』というケースがあったのです」

2 / 3 ページ

関連記事