心臓病を予防するためには、薬とうまく付き合っていくことも重要です。
薬を飲むに当たって前提になるのは、まず「症状がある」ということです。そして、血液検査の結果に症状を裏付けるデータが出ているかどうかを確認して、そのデータをもとにどんな薬を処方するかを決めるのが一般的です。ほとんどの医師は、「症状」と「生検体(血液や尿など)」で薬を決定しているのです。また、処方した薬が効果的に作用しているかどうかを確認するのも、「症状」と「生検体」です。症状と血液検査のデータを見て、問題になっていた数値がしっかりコントロールされていれば、その薬は合っていると判断できるのです。つまり、薬を飲む人は定期的な血液検査を欠かしてはいけないということになります。
では、心臓病予防のために中高年男性が最も重視してコントロールしなければならない危険因子は何かというと、「コレステロール」です。いまが働き盛りの40~50代の中高年の血液検査と、現在80~90代の高齢者が働き盛りだった40年ほど前の血液検査の結果を比べてみると、決定的に異なっているのはコレステロール値です。いまが働き盛りの中高年は、食生活や体質を含めてコレステロール、とりわけ悪玉コレステロール(LDL)の数値が高いのです。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」