橋村院長は、このままでは20年後に極端な歯科医師不足となり、都会では簡単な歯科治療すら受けられなくなると警告する。その最大の理由は、国がいまだに「10万人当たりの歯科医師数を50人とする」との歯科医師抑制策を改めないからだという。
むろん、歯科医師の偏在は歯科医師側にも問題がある。たとえば、多くの歯科医師が歯科大のある地域やその周辺での開業や就業にこだわる傾向にあるが、歯科大に難病例の患者を送りやすく、また患者も多いと勘違いしているからだ。
実際、関東地区で一番歯科医師が多いのは歯科大がある東京・千代田区。人口10万人当たりの歯科医師数は3087.6人。それに次ぐのはやはり歯科大がある東京・文京区の523.6人だ。
当然、これらの地域では歯科医院間の過当競争も起きていて、患者獲得のためにベビーシッターを雇ったり、リフレクソロジー(足裏マッサージ)を施したりと、医療とは別次元の過剰サービスもエスカレート。他の歯科医院との差別化を図るため、高額な材料費がかかる最先端の根管治療などをウリにする自由診療の歯科医院も増える傾向にある。
どうなる! 日本の医療