■「他の病院では通用しない医療行為をしてはいけない」
日本全国どこの病院に行ったとしても、すぐにそのまま通用する医師を育てなければなりません。その地域、その病院でしか通用しないような医療をやっていてはいけないのです。
私は、ローカルでしか通用しないような医師を育てることは絶対にしたくありません。
少なくとも、自分が関わっている若い医師たちには、そうなって欲しくないと思って接しています。だから、少しでも手を抜いているとわかれば怒鳴りつけます。
医師というのは、「殺しのライセンス」が与えられているスパイ小説の主人公「007」(ジェームズ・ボンド)と同じです。言い方を変えれば、患者さんを合法的に死なせてしまっても守られる存在といえます。だからこそ、「他の病院では通用しない医療行為はしてはいけない」という意識を持っているかどうかが重要になります。
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