4月から順天堂医院の院長に就任いたしました。これまで以上に、安心、安全で皆さまに満足いただける医療を提供していくよう尽力しなければと気持ちを新たにしています。
昨年、各地の大学病院や総合病院で、手術を受けた患者さんが何人も亡くなる医療事故が相次いで発覚しました。いずれも、通常であれば考えられないようなむちゃな手術が数多く行われていたことが分かっています。
患者さんにとって、手術は失敗すれば命に関わるような重大事です。自分の身を守るためには、手術を勧められ、受けることを決断するまでに、本当に自分の身を任せられるのかどうかを見極める必要があります。
まず、手術の前に「医師からどんな説明を受けたか」が重要です。心臓の手術に限っていえば、医師が「リスクスコア」という指数を提示しながら、治療の詳しい内容、期待される結果や予後について適切な説明を行っているかどうかを確認しましょう。リスクスコアというのは、患者さんの状態によって手術の危険度がどの程度かを示す指数で、「ジャパンスコア」や「ユーロスコア」といった1万~10万例ほどの患者を分析したさまざまな解析モデルがあります。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」