どうなる! 日本の医療

今年の診療報酬改定は“与党の参院選対策”ではないのか?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 不思議なのは診療報酬改定の時期に合わせるかのように、「2040年には医師の数が1万8000人余る」とのニュースが流れたこと。

「開業医は医師の数が増えることには基本的に反対です。競争相手が増えて収入減を意味するからです。そのため、医師会は医学部の定員増や医学部新設には基本的に反対してきたのです。その意味では医師余りのニュースは大歓迎でしょう。しかし、似たような数字は既に2006年にはじき出されていました。わざわざこの時期に厚労省が発表するのは不自然です」(上理事長)

 日本薬剤師会も調剤薬局の儲けすぎでバッシングを受けたが、過去にその政治団体である「日本薬剤師連盟」は組織内候補の自民党参院議員に問題視される分散献金をしていたことが明らかになっている。

 アベノミクスの化けの皮がはがれたいま、与党にとって今夏の参院選は剣が峰。選挙対策で日本の医療がゆがめられたとしたらとんでもない話だ。

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村吉健

村吉健

地方紙新聞社記者を経てフリーに転身。取材を通じて永田町・霞が関に厚い人脈を築く。当初は主に政治分野の取材が多かったが歴代厚労相取材などを経て、医療分野にも造詣を深める。医療では個々の病気治療法や病院取材も数多く執筆しているが、それ以上に今の現代日本の医療制度問題や医療システム内の問題点などにも鋭く切り込む。現在、夕刊紙、週刊誌、月刊誌などで活躍中。