どうなる! 日本の医療

死因究明システムの強化が必要

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「地方自治体任せの日本とは大違いです。例えば東京都監察医務院では、13人の常勤医と56人の非常勤医で年間1万4000人のご遺体を検案しています。急速に進んでいる超高齢社会で、今後、遺体はさらに増える。地方自治体それぞれに予算の制約がある中、全国でしっかり制度を確立するためには国の支援が必要なのです」(福永院長)

 予算不足というと莫大な金額をイメージするが、福永院長によると、国民1人あたり年間200円の支援で、国中に監察医制度を張り巡らせることが可能だという。

「死因がきちんとしていないと、日本人の死因統計も不正確になる。それは、未来の日本の医療を危うくすることにつながります。『死体の検案、解剖は人の受ける最期の医療』であり、『一人一人の死を万人の生につなげる』大事なものです。これは、国がきちんとやるべき仕事ではないでしょうか」(福永院長)

 それとも国は、国民の死因を完全に明らかにすると、“不都合な真実”に行き当たることになるとでも考えているのだろうか?

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村吉健

地方紙新聞社記者を経てフリーに転身。取材を通じて永田町・霞が関に厚い人脈を築く。当初は主に政治分野の取材が多かったが歴代厚労相取材などを経て、医療分野にも造詣を深める。医療では個々の病気治療法や病院取材も数多く執筆しているが、それ以上に今の現代日本の医療制度問題や医療システム内の問題点などにも鋭く切り込む。現在、夕刊紙、週刊誌、月刊誌などで活躍中。