独白 愉快な“病人”たち

タレント生稲晃子さん 焦りと恐怖が高まったがんの再々発

生稲晃子さん(C)日刊ゲンダイ

 がんと診断されて1度目の手術は、1センチに満たない小さな腫瘍の摘出でした。転移の可能性があるといわれる浸潤がんではありましたが、ステージ1ということで胸の形に変化はなく、3センチぐらいの傷痕も乳輪に沿ってほとんどわからないものでした。3泊4日ほどの入院で、レギュラー番組も休まずに済んだのでひと安心。その後1カ月間、放射線治療を受けるために毎日通院したほかはホルモン療法の薬だけで、抗がん剤は不要でした。

 再発が見つかったのは翌年です。右胸にニキビのようなものができて、それが悪性腫瘍でした。ただ、幸いにも皮膚に出てきたものだったので、部分麻酔をして切っておしまい。外来手術でした。先生と話しながら、手術中の音や電気メスで切除しているときのなんともいえない“におい”を経験として楽しんだ感じです(笑い)。その時も、ただ“傷が増えたな”と感じた程度でした。

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