独白 愉快な“病人”たち

タレント生稲晃子さん 焦りと恐怖が高まったがんの再々発

生稲晃子さん(C)日刊ゲンダイ

 病気のことは伏せたまま、お仕事を休まなかったのは、せっかくいただいた仕事を自分からお断りするなんて考えられなかっただけです。でも結果として、それが私には大事なことでした。逆境の中で、自分をニュートラルに保つのは難しいことですけど、病気を一切伏せていたことで普通に仕事ができ、普通に笑顔が出る生活が送れました。すべてを知っている家族にも特別扱いはされなかったし、本当にありがたい。

 病気を経験して、ストレスをためない性格になりました。以前は「自分を追い込むことが正しい生き方だ」と思っていたほどでしたから、この発想の逆転は病気のおかげですね。感謝しています。

▽いくいな・あきこ 1968年、東京都生まれ。86年にアイドルグループ「おニャン子クラブ」のメンバーに加わり、87年に「うしろ髪ひかれ隊」として歌手デビュー。その後、女優、司会、リポーターなど幅広く活躍している。2003年に結婚し、06年には女児を出産した。最新著書「右胸にありがとう そしてさようなら」(光文社)が発売中。

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