どうなる! 日本の医療

医療費40兆円超え 今こそ“無駄な法律や通達”を見直すとき

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 最近は、外国人の生活保護受給も問題になっている。キッカケは2014年7月の最高裁判決。同第2小法廷は、生活保護法第1条及び第2条がその適用の対象を「国民」と定めているのを根拠に、「外国人は生活保護法に基づく保護の対象となるものではなく、同法に基づく受給権は有しない」とし、外国人が法的保護の対象となるのを否定する判断を示した。

 このため、外国人への生活保護は生活保護法に基づいてではなく、人道的な観点による行政措置であることがハッキリした。これを受けて厚労省からは、こんな声が上がっているという。

「たしかに戦後の混乱期の1950年、わが省の大先輩が『外国人の生活困窮者を放置することは人道的にも妥当ではない』との通達で一時的に救済したものがいまだに有効になっている。現在、生活に困窮している外国人になんらかの救済が必要だとしても、新しい制度を作るべき。その前にまず、過去の通達を改めることが必要ではないか」

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村吉健

村吉健

地方紙新聞社記者を経てフリーに転身。取材を通じて永田町・霞が関に厚い人脈を築く。当初は主に政治分野の取材が多かったが歴代厚労相取材などを経て、医療分野にも造詣を深める。医療では個々の病気治療法や病院取材も数多く執筆しているが、それ以上に今の現代日本の医療制度問題や医療システム内の問題点などにも鋭く切り込む。現在、夕刊紙、週刊誌、月刊誌などで活躍中。