どうなる! 日本の医療

自治体で大きな差 子供の医療費助成は6歳まででいいのか

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 今年4月、東京都千代田区から千葉市に移り住んだAさんは、子供の医療費格差に愕然としたという。

 千代田区時代は、所得制限なしで18歳まで無料だったが、千葉市で無料になるのは小学3年生まで。それ以降は中学3年生までは通院300円、入院500円の窓口負担金が必要で、高校入学以降の医療費補助はゼロだ。

 日本の医療の地域格差は広がる一方で、住むエリアにより医療費の窓口負担は大きく変わる。本当にこれでいいのだろうか。立教大学コミュニティ福祉学部の芝田英昭教授が言う。

「本来、子供の医療費助成は国が行うべき筋のものです。ヨーロッパでは大半の国が医療費助成を行い、それも無料にしている国が多い。にもかかわらず、日本では国が地方自治体に医療費助成を押しつけているのは怠慢としか言いようがない」

 しかも、国は医療費助成をしている地方自治体に対して、ペナルティーを科しているというから驚きだ。

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村吉健

村吉健

地方紙新聞社記者を経てフリーに転身。取材を通じて永田町・霞が関に厚い人脈を築く。当初は主に政治分野の取材が多かったが歴代厚労相取材などを経て、医療分野にも造詣を深める。医療では個々の病気治療法や病院取材も数多く執筆しているが、それ以上に今の現代日本の医療制度問題や医療システム内の問題点などにも鋭く切り込む。現在、夕刊紙、週刊誌、月刊誌などで活躍中。