注目抗がん剤で患者を誤誘導 悪質クリニックの巧妙手口

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「免疫細胞療法はエビデンス(科学的根拠)がなく、きちんとしたデータの論文発表も学会発表もほとんどない。ニボルマブは418人のデータによって承認されていますが、免疫細胞療法の方は何万件行われようと承認への動きがない。これは、効果がないからです。インチキクリニックではそれを分かっていて、ニボルマブに乗じて『免疫細胞療法との併用で効果がある』とウソの説明をしているのです」

 ニボルマブは、体重1キロ当たり3ミリグラム、体重50キロであれば150ミリグラムを2週間間隔で点滴静脈注射するのが標準治療だ。

 ところが、勝俣医師が聞いた例ではニボルマブの使用量は20ミリグラム、多くても40ミリグラムで、メラノーマ、非小細胞肺がんに限らず用いている。

「ニボルマブは高額な薬品なので、量を減らしているのかもしれません。それでは当然ながら効果がない。そして、クリニックが主で行う免疫細胞療法へ患者さんを誘導していくのです」

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