注目抗がん剤で患者を誤誘導 悪質クリニックの巧妙手口

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

■インチキを見抜く2つのチェック法

 かつて、多発性骨髄腫の新薬が承認前に個人輸入で使用され、「関連性が否定できない急性肺障害、間質性肺炎(死亡例を含む)」が報告された。勝俣医師はこれを挙げ、「ニボルマブは重篤な副作用の可能性もある薬であり、使用方法を間違えれば大問題につながりかねない。通常、臨床試験は、独立した倫理委員会で審査され、認可を得た場合のみ患者さんには原則無料で参加してもらうものだが、インチキクリニックでは“人体実験”を免疫細胞療法との併用で高額の医療費を取って行っている。これがまた大きな問題です」と指摘する。

 そうしたいい加減なクリニックは、どう見分ければいいのか?

「ニボルマブを保険適用外で不適正使用している。『よく効いた患者の個別の例』をホームページなどで掲載している。この2つがあれば、インチキクリニックと思っていいでしょう。そこにかかる前に、抗がん剤の専門医である腫瘍内科医を受診し、本当に適切な治療を受けるべきです」

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