たとえば、以前、弁膜症で人工弁を置換した患者さんが人工弁の感染を起こして緊急の再手術を行う場合、細菌に感染している弁をきれいに取り除かなければなりません。その弁が1個ならいいのですが、3個の弁に処置が必要になるケースもあります。そうなれば、手術する範囲が広くなって時間もかかるため、ダメージも大きくなってしまうのです。
こうしたさまざまなリスクが多くある緊急手術は、術中の判断力、手術の技量、経験がより求められるといっていいでしょう。次回、より詳しく緊急手術について解説します。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」