日本でも、220以上の医療施設で実施。変異ありの判定を受けた人のうち乳房は50例以上、卵巣は100例近くの予防切除が実施されました。このような遺伝子変異があると、若くして発症しやすく、がんが複数にできたり、2つある臓器のがんだと両方にできたりする傾向があります。
つまり、ある血縁に受け継がれる特定の遺伝子変異によって生じやすい遺伝性のがんの発症リスクを調べるのが、遺伝子検査です。誤解してほしくないのは、たとえば祖父も父も自分も胃がんだからといって、遺伝性の胃がんではないということ。世間でいわれる“がん家系”とは、ずいぶん違います。
胃がんの場合、ピロリ菌感染の影響が強く、塩分の濃い食事が重なると、胃がん発症が助長されます。ピロリ菌感染や食生活は、家系や地域性が強く、遺伝よりそちらの影響が強いと考えられるのです。
Dr.中川のみんなで越えるがんの壁