妻が「末期がん」になったら

<3>自己負担が「月4万円」の窓口払いでチャラになる制度

カネの心配も妻にはつらい(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ

 1錠3000円ほどの薬を1日4回飲む。毎日の薬代だけで“諭吉”が消える。毎月30万円超。3割負担としても毎月約10万円はきつい。

「妻は助けたい。でも、この出費が毎月毎月続くとなると、正直、500万円の年収ではバイトしてもカバーし切れない。ざっと計算した医療費は1年で150万円。2000万円の住宅ローンや家族の生活費もある。ヤバイと思う気持ちが妻に伝わったのか、妻に『この薬やめよ……』と言わせた自分が情けなかった。この薬を中断することは、ネットで“静かな自殺”と呼ばれていたんですよ」

 たとえば、肺がんの従来の抗がん剤「シスプラチン」は月額10万円以下だが、新型の「オプジーボ」は同300万円を超える。抗がん剤は高額化が進み、効果抜群の薬でも中断を考えたことがある人は4割に上る。打つ手はないか。

「がんとお金の本」の著者で、ファイナンシャルプランナーの黒田尚子氏が言う。

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