当時の僕は、無口であいさつしない。人に説教する。面倒なヤツになっていた。もう4~5年そんな感じで、みんな絡まれたくないから腫れモノに触るような感じになっていました。「スター誕生」の審査員で渋い顔をしていたのもそのころ。あの時の僕しか知らない人は、今も嫌なヤツだと思っているでしょうね。
僕は、うつだけが続く「低空飛行型」。しかも、音楽家として地位も確立していたから、誰も逆らえない状態が出来上がってしまったんです。たまたま僕は関西人の旧友が指摘してくれたからよかったけど、孤立していても気づかず、強権をふるって怒鳴りつけたり、社員をクビにしたりしている経営者も結構多いんじゃないかな。
「あなたはクリエーターだから、自分をクリエートしてください。それで大丈夫だと思います」
そう言われ、薬も処方されませんでした。
独白 愉快な“病人”たち