独白 愉快な“病人”たち

ボートレーサー倉持莉々さん 入学直前ホジキンリンパ腫に

倉持莉々さん(C)日刊ゲンダイ

 大きな病院で受診したのはそのあとのことです。水球のチームメートと、その彼女のお母さんに同行してもらいました。後から思えば、その数カ月前から高熱が出ていたんです。でも、医師にはいつも「風邪ですね」と言われ、自分もそれを信じていました。結局、その高熱から病名がわかるまで約半年かかってしまったんです。

 入院したのは、くしくも自分が行くはずだった学校の入学式の日で、自分の誕生日でもありました。医師から「治療期間は1年はみてください」と言われました。でも、比較的薬が効きやすい病気だとも聞きました。最初の抗がん剤が効いたので入院したのは2週間だけ。その後は実家に戻り、週1回の通院が半年ほど続きました。

 毎回1日がかりで抗がん剤を点滴するんですが、その後3日間は食べられない、動けない、皮膚がピリピリする、関節が痛む……といった副作用がありました。抗がん剤はがんを弱らせると同時に自身の免疫力も極端に落としてしまうので、外出時はマスクが必須。家の中の除菌、消毒は家族全員、常に気を使っていました。

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