歴史の浅いゲーム機器にはこうした懸念が拭い切れないため、ゲームメーカーはVR機器、3D機器に対象年齢を設け、12歳以上としている。
気になるのは3D映画を見た子供の中に急性斜視になり、それが治らないケースがあることだ。
「国内では1件だけですが、4歳の子供が3D映画を見た後に斜視となって3カ月後に手術して治ったという事例がありました。大人なら近くを見続けて寄り目(輻輳)になったとしても、少し休めば元に戻りますが、子供は戻らなくなる可能性があります」(不二門教授)
■「気になるのはブルーライト」
では、12歳以上なら問題はないのだろうか? 眼科専門医で清澤眼科医院の清澤源弘院長が言う。
「大人でもカーレースなど動きが激しいVRだとVR酔いが強く出る可能性があります。人間は内耳にある三半規管と目で見る視覚情報などを組み合わせることで平衡感覚を保っています。これまでの3D画像は視覚情報だけで平衡感覚を保ってきましたが、首を動かせるぶんだけVRは酔いが少ないかもしれません。しかし、映像の動きが激しいぶん、眼精疲労はもちろん、VR酔いは強く出るかもしれません」