天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」

「いきみ」で血圧急上昇 冬の便秘が心臓のトラブルを招く

順天堂大学の天野篤教授(C)日刊ゲンダイ

 普段から、食物繊維が多く含まれる野菜や玄米といった食品を積極的に取ってください。冬場なら、シメジ、エノキ、シイタケなどのキノコ類や、ゴボウ、白ネギ、春菊、白菜などの野菜をたっぷり使った鍋料理がおすすめです。また、乳酸菌が豊富なヨーグルトや納豆などの発酵食品も効果的です。

 さらに、便秘がしばらくぶりに改善して快便を得た後も要注意です。副交感神経が優位になって、血圧低下や徐脈を来すことがあるからです。そうなった場合、大動脈弁狭窄症の持病がある人は突然死することもあります。便秘は心臓と深く関わっているのです。

4 / 4 ページ

天野篤

天野篤

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。