「認知症の診断は、最終判断であるべきですが、それが抜けている」
Aさんの場合は、もともと肝機能を患っていたのに、肝臓を調べずに認知症と診断されていた。不幸中の幸いで2人とも認知症治療はまだ始まっていなかったが、認知症と診断されて、薬を処方され、誰もその経緯に疑問を抱かなければ、今でも認知症として治療され続けていたかもしれない。
私たちが自衛策として知っておくべきなのは、症状の表れ方だ。親と同居していなくても、たとえば「正月に会った時はまったく正常だったのに、ゴールデンウイークには会話がおかしくなっていた」というような場合は、認知症以外の病気が考えられる。