その効果は抜群で、首や脇の下、足の付け根などリンパ節の多いところに2センチ大の腫瘍が現れ苦しんでいた70代の男性は、点滴から2カ月後のPET検査で腫瘍の消失が確認されたという。
「あれから1年以上経過していますが、再発していません。この1年半に12人の患者さんを対象にこの治療法を行いましたが、最も印象的な患者さんです」(大坂部長)
とはいえ、この治療法は悪性リンパ腫なら誰でも治療対象になるわけではない。
悪性リンパ腫は「非ホジキンリンパ腫」と「ホジキンリンパ腫」の2つに大きく分けられる。さらにそれぞれ細かく分類され、60種類以上のタイプが存在する。とりわけ多いのが非ホジキンリンパ腫で、悪性リンパ腫の9割以上を占める。このうち年単位のゆっくりした速度で進行するのが「濾胞性リンパ腫」で、“ジョーカー”の対象となる。