一生に一度 悪性リンパ腫の新治療法“ジョーカー”って何?

“ジョーカー”をいつ切るかが問題(C)日刊ゲンダイ

 実は、このことがこの治療法が普及しない一因になっているという。

「ゼヴァリンは2008年1月に承認されたにもかかわらず、必ずしも患者さんに知られていません。理由は併用する薬剤費を含めて総額500万円と高額なこと(ただし公的保険が利き、高額療養費制度も使えるため、実質的な負担は多くても数万円程度)、治療対象となる濾胞性リンパ腫の進行が遅いため、治療を焦る必要がないこともあります。しかし、日本では再発後、他の治療法を施した後でしか使えないために、使うタイミングを逸し、十分な効果を得られていないことも、ゼヴァリンの評価が上がらない理由のひとつなのです」

 大坂部長は再発後、なるべく早い時期に投与することで成果を挙げているという。

「ジョーカーは強い手札ですが、切り札ではありません。早めに使うことです」

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