Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

20万人が働き盛りでがんを発症 子供への告知はどうする

2人の子供の生活のために公表した(C)日刊ゲンダイ

 その後、海老蔵さんは自身のブログで、息子が母に「カンカンがまもってあげるからね」と語る姿に「グッときた」とつづっています。子供に病気を正確に伝えると、家族が一丸となり、子供は思いやりや忍耐を育むことができます。ある調査によると、8割が「子供に告知してよかった」と回答しています。

 24年前に子宮頚がんを発症した知人女性は、「ショックが大きい」と15歳の息子への告知をためらいましたが、息子は母の異変を微妙に感じ取っていたそうです。しばらくして、父から母の病気を聞いた息子は、「おかしいと思ったよ。どうして話してくれなかった。仲間はずれか」と怒り、家族に溝ができたといいます。その教訓から、5年後に肝臓がんを発症したときは正直に子供に伝え、家族に一体感が生まれたそうです。

 伝えるときのポイントは、「風邪など身近な病気とは違うこと」「感染しない」「子供のせいでもだれのせいでもない」ことを教えるのです。子供によっては、がんがうつると思って親に触れなくなったり、自分が悪いことをしたから親ががんになったと思い込むケースもあります。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大医学部医学科卒業。同院緩和ケア診療部長を兼務。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。