脳卒中や脳外傷などで後遺症が出た時、「元通りに回復したい」と思うのは当然の気持ちです。
ただ、そうした病気やケガで大きな脳損傷が生じた場合、必ず後遺症が残り「機能障害」が起こってしまいます。麻痺で手足が動かない、手足がしびれて動きがわからない、顔が動かせない、目が見えない、耳が聞こえない、うまく話せない、話が理解できない、計算できない、食べ物をのみ込めない、記憶できない、注意力がなくなる……さまざまな障害が現れるのです。
脳卒中などの場合、こうした機能障害の後遺症は、重症度にもよりますが約3~6カ月で回復のピークを迎えます。つまり、運動麻痺、感覚障害、嚥下障害、言語障害、高次脳機能障害といった機能障害がどの程度残ってしまうかは、おおむね発症後3カ月でわかるということです。その3カ月間は、時間とともに脳組織が安定し、脳浮腫や炎症が改善して機能が回復していきます。その過程で、壊れた脳神経細胞や神経線維の部分は機能障害が残り、その重症度が決まるのです。
正解のリハビリ、最善の介護